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2)Labog Creek、Doangan、Victoria(土壌?・?、写真20、図10)
Labahan Snail Colonyの北東部にそれより下位の標高10mの位置にあって、それと類似の地形面である。生息地は道路の下流側、道路との比高約1.5mにある、バナナ畑と、ココナッツを含む雑木林の間の幅約1mのクリークで、溝渠内のバナナの葉に多数の貝が付着していた。雑木林の下流側は湖畔の湿草地に連なると推測される。土壌のMnは400ppm、Feは2000ppmと高く特にMnはLabahan Snail Colonyに次いで高い値を示した。pHは土壌・水いずれも7.20、土手の土6.36で、水のCrは5ppm、CaCO3は50ppmであった。
3)Mediasin Creek、Sanlsidro、Victoria(土壌?・?、写真21、図10)
標高20mより少し低い扇状地下位面にあって、クリークが溢れて畑のパパイヤの苗木まで湛水していた。通常の水分条件は不明だが川幅は約2mで、竹林その他の木々が覆いかぶさっていた。パラワンのほか付近の畑にはバナナ・キャッサバ・カラマンシーなど混植され、森を開墾し農作物を栽培している。 pHは水は7.26、土壌は7.29で、CaO 100mg、Mg 075mgで他の土壌に近い値であったが、Feは2000ppm以上と極端に高かった。水のCODは10ppm、CaCO3 40ppmであった。
4)Lily's Creek、Canaan、Victoria(土壌?・?、写真22、図10)
国道1号に比較的近い、標高40m以上の扇状地上位面から同下位面に移行する標高20mより少し低い位置にあって、同上位面を下刻した川が、緩傾斜ながら微地形の複雑な下位の平坦面に出て湿地を形成している。植生も複雑である。起伏のある斜面に大小、建材の異なる家屋が不規則に建てられている。集落の下位に湿地があり、その中を流れるクリークにはフットブリッジが架けられている。竹林その他の大きな木に囲まれたバナナやカビの植えられた畑もある。家の外にはビニールで囲まれた和式?の便器を用いたトイレがあり、汚物はクリークに流れ込むようになっており、水位が上昇すると湿地にまで拡散すると思われる。堆積した草の根に貝が多数付着していた。斜面の土壌は風化した赤土でCaO 0−50mgで極端に少ない一方、Feは2000ppm以上であった。pHは水は7.46、土壌は7.40であった。一見汚染された水域と考えられたが水のCODは0ppm、CaCO3は10ppmであった。
5)Florie Dam、Bethel、Victoria(土壌?、写真23、図10)
コロニー名はダムであるが、実際の生息地は、ダムの下流の広い水田の際の微高地と思われる荒地(ブッシュ)で、標高20m以下で4)Lily's Creekより下位にあると思われる。
長雨により畔道も湛水して生息地周辺は大きな池となり、ホテイアオイその他の水草が繁茂し、貝の生息場所まで到達することができなかった。生息地のすぐ近くの田では、地元の2人の婦人が水に積かりながら食用の貝を採取していた。ホテイアオイ近くの水のpHは7.62、近くの水田の土壌はCaO・MgOどもには100mgであったが、Feは2000ppm以上と高かった。水

 

 

 

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